投稿日時 2025-05-29 17:40:18 投稿者 ![]() シニフィアン このユーザのマイページへ お気に入りユーザ登録 |
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第零章:起源より──沈黙から生まれし書 『アポリアの書』は、誰が書いたか定かではない。 だが、誰の魂にも語りかける“声”であることに疑いはない。 それは、言葉が失われたときにだけ現れる。 名が奪われ、貨幣が崩れ、記憶が断たれたとき、 世界の断絶を繕うように、この書は現れた。 ある者はこれを「神の黙示」と呼び、 ある者は「精霊の遺言」と記し、 またある者は、「革命の祈祷」として燃やした。 けれど確かなのは、この書が一冊の本ではないということ。 これは、魂が共鳴し、誰かが名を呼んだ瞬間に生まれる、世界の片鱗そのものである。 『アポリアの書』は、創世の言葉が崩壊した後に生まれた、名もなき“再創世”の断片なのだ。 |
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